言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

地名の奪い合い

マンションの名前なんかによく、地名が冠されているだろう。例えば「ラ・アイサトール 高田馬場」とかそういうもの。あれって結構地名呼称が適当で面白いと同時に、名前を付けた人の意図というか、どの名前を冠するほうがイメージがいいだろうかという苦心のようなものが垣間見れる。
大抵は近隣の駅名が付けられているわけだが、この駅間となるとかなりその境界線というのはあいまいである。どうも名前を冠するのに制限は余りないようで、近隣に駅の入り組んだ場所などではかなり状況としてはカオスである。そこに駅名でない地名なんかが入ってくるとより面白い状況になる。
マンションには限らない。例えばコンビニの店舗名とか。あれって、コンビニに限らず、店の名前が明示されているチェーンとそうでないチェーンがあるけれど、調べればちゃんと名前が出てくる。そりゃあ、どんなに近接していても近隣店舗と区別しなくてはならないから、名前は違うよね、と。

私の知っている限りでかなり入り組んでいたのは、東京の神楽坂の界隈である。神楽坂通りというあの有名な坂の通りがあり、その周辺が主に「神楽坂」と呼称されている。実際に町名にもなっているが、それ以上に「神楽坂通り」と呼称されていることが周辺の名づけに影響を及ぼしているようだ。
というか、神楽坂の持つネームバリューと言うか、イメージの力と言うのは非常に強いなぁと思い知らされてもいる。どういうことか。
分かりやすいのはやはりチェーン店の名前だろう。
神楽坂通りの入り口は、飯田橋の駅がある。地下鉄の出口なんかはもろに神楽坂通りに面していたりする。だがもっぱら呼称は神楽坂。マツモトキヨシは「神楽坂店」、ファミリーマートは「神楽坂下店」。不二家はなんと欲張りにも「飯田橋神楽坂店」。少し坂を上ってセブンイレブンは「新宿神楽坂三丁目店」、近くのファミリーマートは「神楽坂三丁目店」。とにかく「神楽坂」という呼称は外したくないようだが、複数店舗あったりすると区別をつけるべくいろいろ呼称が細かくなったり、さらに大きな地名(新宿区なので新宿、とか)がつけられたりもしていて面白い。
意地でも神楽坂の名前を付けたいのが、ココカラファインというドラッグストアー。なんと神楽坂を冠した店名だけで3つもある。「くすりセイジョー神楽坂店」と「ココカラファイン神楽坂上店」「ココカラファイン神楽坂中里町店」の3つだ。神楽坂と神楽坂上は20mしか離れていない趙至近距離店舗なせいで、あえて合併前の「セイジョー」を名乗ったままといおまけつきである。ちなみに神楽坂中里町店は東西線神楽坂駅から300mくらいのところにあるので一応神楽坂である事はわかるが、実際のところ神楽坂と言う感じのする場所ではあまりない。近接したセブンイレブン、ローソン、そしてデニーズは「新宿山吹町店」であり、山吹町という地名の存在感がすごい。さらに存在感があるのが「早稲田」の名前。「江戸川橋」の名前も駅から近いため結構存在するし、地図で見てもかなりこの界隈はカオスな様相を呈していることが分かる。

私はライターでもなんでもないので特に調べたりしないけれど、こう言った命名規則と言うのを調べて見る企画と言うのもおもしろいかもしれない。実地で写真をとってもおもしろいし、チェーンの命名規則を比較してもいいかもしれない。
そう言う企画があったらぜひ教えて欲しいし、やりたい人がいたらぜひやって欲しい。