言葉のリハビリ場

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鯖瓶

鮭フレークではなく、鯖フレークと言うのがある。鮭フレークの鯖版だと思ってもらって差し支えない。塩鯖をほぐして瓶に詰めたような至ってシンプルな食べ物である。
こいつがとても美味い。ご飯にかけて食べるととても美味い。美味いし、たんぱく質を取れるし、例えば朝ご飯なんかの時にはサクッと食べられるので重宝している。
塩気はもちろん、適度に油分が含まれているのがポイントだ。パサパサになりきっておらず、適度にしっとりしている。これがご飯とよく合うのだ。
世の中のほとんどが鮭フレークであるから、鯖フレークと言うのはなかなか見つからないのがまだ残念なところ。我が家の近くのスーパーではヘビーユーザーが他にもいるのか、目立ちはしないが必ず在庫が補充されている状態だ。期限やロットが変わっているのを確認済なのでちゃんと仕入れが回っている。ありがたい事だ。
塩鯖のフレークが出回っているのを見かけたらぜひ買ってみて欲しい。気に入らなければ開封住みでも構わないので私が引き取ろう。それくらいの気持ちである。

そんな鯖フレークにすっかりハマっている私だが、小さいときは鯖が苦手だった。唯一好きだったのは鯖の押し寿司。いわゆるバッテラ。何故好きかと言えば、鯖独特の臭みがないからだろう。他の青魚は問題ないどころか、鯵や秋刀魚、鰯なんかは大好きだったので、なぜかあの鯖の感じだけが苦手だった。鯖の味噌煮なんてご飯のおかずとしてすごく美味しいものだけれど、小さい頃は鯖味噌の出てくる日は憂鬱な日と決まっている程だった。「鯖臭さ」以上にあの青い感じが苦手だったのだろう。
鯖と言うのは血合いの濃い魚だ。言われてみれば、〆鯖なんかの断面は結構茶色い部分が大きい。あれが血合いだ。だから鯖は他の青魚に比べても格段に「足が速い」。生食できる鯖と言うのはとても新鮮なものである証拠である。だから〆鯖にしたりして比較的な間に近い状態で食べようとしたり、臭みをとるために味噌煮にしたりと、工夫して食されているわけである。

だが図らずもこの私、バッテラ以外で鯖が美味しいと気が付いたのは何と塩鯖であった。我が家の焼き魚と言えば、鯵の干物と塩鮭の半々であったからか、塩鯖は食べたことがなかったのである。それがまあ、外食の時にたまたま食べた鯖が美味しくてびっくり。塩鯖だけじゃない。みりん干しなんかも結構いける。もちろんバッテラは今も昔も変わらず大好きだ。よく考えたら奈良とかでよく食べられている「柿の葉寿司」だって鯖が一番美味い(と思っているし実際鮭より鯖の方が古い)。鯖ってこんなに美味いのか! と、たまげたところに鯖フレークの登場ですっかりとりこになってしまったというわけだ。

珍味はご飯が進むがいかんせん栄養価的には不安の残る物が多い。というか少量かければ大量に白米の進むものが多いからだ。
その辺と比べれば鯖フレークはどちらかと言えば納豆とか卵側。一応栄養のある方に分けてもいいんじゃないかな。
と、自分に言い聞かせて今日も鯖フレークをかけて食べるのです。