言葉のリハビリ場

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塩辛あれこれ

塩辛って美味いよね。なんてことは言わなくたって誰もが知っていると思う。もちろん広く知れ渡って入るものの、珍味である事には違いない。万人受けと言うよりはやはり人を選ぶのは間違いない。
私としては別段それは構わないし、むしろ好きな人が過剰に増えても、万が一需要の高まりのせいで供給できなくなってしまったりしたら嫌だ、くらい心の狭い事を言ってみたくなったりもする。まあそれは冗談だけど。
塩辛と言っても、それに類するものは結構多様だ。一番メジャーというか、たぶんほとんどの人が想像するのがイカの塩辛だろう。なんといってもご飯のお供(友)。これがあればとにかくご飯が食べられる。塩辛いのは塩辛いのだけれど、これでも結構いろいろな味があって、本当に塩気の強いものもあれば、甘みのあるマイルドな物まであったり、けっこうピリ辛になるように唐辛子が多かったり、さらにはホタルイカのような小ぶりのイカまるごと使っていたりとほんとにまあ多種多様だ。そしてどれもだいたい外さない。
申し訳ないがたまに生臭く味が微妙なものも存在はするが、次から買わないようにすればいいか、と言うくらいにはイカの塩辛と言うのはいろいろなものがあるので許せてしまう。さらに言えば、これしかない! これだ! この味が食べたかったんだ! なんてものが、複数存在するから良い。「これしかない」がいろんな種類あるのだからそれはもう最高だ。

自分の人生で一番美味いと思った塩辛は、函館のホテルの朝食バイキングに置いてあった何気ない塩辛だ。私にしては珍しくちょっといいホテル(函館観光国際ホテル)に泊まったわけだが、塩辛がびっくりするほど美味くて朝からご飯をお代わりしてしまった。イクラ乗せ放題も良かったのだが、それを上回るくらい塩辛が美味かった。
ホテル朝食の時もそうだったが、函館あたりではふかしたジャガイモに載せて食べたりもする。じゃがバターに塩辛を足すわけだ。不味いわけがない。函館に行くと美味い物が多すぎて太る。

話が大きく脱線したが、とにかくイカの塩辛と言うのは、大当たりと当たり、そして少々のはずれがあるものの、大当たりに出会えればずっと良い思いができること間違いなしの素晴らしいご飯のお供であるわけだ。

イカ以外の塩辛と言えば、有名なのはカツオやマグロあたりだろうか。身ではなく、内臓を使っているもので、その多くは「酒盗」と呼ばれるものである。これは、この塩辛があればいくらでも、それこそ盗まれるように酒がなくなっていくことからこの名前が付けられている。
当然、ご飯にも合う。一般的なイカの塩辛に対して、こちらは塩分はより濃く、また調味に酒が使われていることが多いため、より「珍味」感の強いものだ。高知や鹿児島あたりが有名だけれど、個人的には西伊豆の田子というところで売っている鰹の塩辛が一番好きだ。田子やあるいは土肥あたりでよく食べられている「塩鰹」を作る際に大量に鰹を扱うことから、田子では塩辛作りが盛んなわけである。高知や鹿児島も鰹節や鰹のたたきなんかが有名だし、きっと同じような理由で作られたのだろう。

好みもあるが、酒盗はご飯もそうだが日本酒との相性が抜群に良い。西伊豆方面に旅行に行けば大抵夕飯に出てくると思うので、是非日本酒と白米と共に楽しもう。


塩辛というと上記のようなイカ、あるいは酒盗のイメージだが、案外意識せずに食べているものも結構ある。一つはタコ。あの「たこわさ」なんてのは塩辛の一種だ。あとはキムチに使われているアミの塩辛(オキアミとかの仲間を使う)なんかも知らずに食べている。

塩辛は保存食であり、カツオあたりの塩辛は結構常温でも扱っているのだが、イカの塩辛は要冷蔵なので買う時は注意しよう。
真夏に田子で塩辛を買ったら、おばあちゃんが凍ったペットボトルをくれて保冷剤が割にしてくれた。ありがとう。お腹壊さずに済みました。