言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

昔取った杵柄

経験は強い。アドバンテージだ。経験しているのとしていないのとではまずスタートラインが違う。たぶん私は加速するのが苦手なのだろう。そうして追いかけて抜かすのはもっと苦手だ。だから少し前のラインからスタートして、そのままスピードに乗るのがいいんだろうか。
というか、私は特に経験したことのないことに対しては苦手意識が強すぎる、という大前提がある。基本的に初めて行う事は苦手だ。だいたい何でもそつなく出来てしまう人もいるが私はその対極の存在であり、そつなく出来る物事は大抵以前に何かしらの形で経験していることだったりする。
あるいは、明らかに酷似している場合も同じことが言える。同じような考え方をすればいいんだな、と分かればそこから先は経験が自分を押し上げてくれるわけだ。

ごちゃごちゃした理論は抜きにしても、経験が役に立った例は多い。なんとなしに手を出したことのある物がいつどんな時に役に立つことになるかなんてわからないものである。

特に趣味は新しく始めるより復帰する方が楽だと感じるから面白い。
とはいえ、障害となるのは「復帰するまでの期間の長さ」だったりする。最新の環境に更新されていないまま、一気に新しい情報を見て戦術を作っていく、このハードルの高さに尻込みしていしまう事が多い。昔ずっと追いかけていた連載漫画をまた読み始めようと思って。最新刊まで一気に買い込むくらいの事で済めばいいのだが。そうもいかないからままならない。そう言う時は原稿環境の先達に聞いて環境を覚えて行くのが手っ取り早い。かつて好きだったものを、再び好きになるのはわりに簡単だ。

スポーツ系の話になると少し話が違ってくる。体力的な面で、学生時代には到底追いつけないしリカバリーできないからだ。ただもちろん身に付けた技術とかそういうのは生きてくるのは間違いない。だって10年自転車に乗らなくても、急に飛び乗ってこぎ出すことは普通にできる。スピードとかスタミナは追いつかなくても、ある程度の技術は身体が覚えている。あいにく私は陸上部出身という事もあって、スタミナのない現在の身体ではそうそう活かされる技術なんてなさそうだが、まあスタートのクラウチングの姿勢とか走法とか、そういうのはきっと身体が覚えている。やったことがないのとは少し違ってくるはずだ。

何でもそつなくこなせる人は羨ましいけれど、自分はそうはなれないのはもうとっくに分かっている。だからいろんなものをつまみ食いして何かに役立てばなんて思っているけれど結局見につかずに忘れていってしまうものも多いんだろうなあ。