言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

ローカルチェーンの魅力

ある特定の地域に根付いたチェーン店というものがある。例えば、函館の「やきとり弁当」のハセガワストア函館市内を中心に14店舗を構えるハセガワストアはまさにローカルチェーンである、その上で地元のソウルフードであるという。函館出身のバンドであるGLAYもこれがソウルフードだと公言しており、函館に来るアーティストへの差し入れなどによく使っているそうだ。
函館にはほかにラッキーピエロというハンバーガーチェーンあったりと、ローカルチェーンは結構いろいろ種類があって地元に根付いていることがある。

もちろん、全国チェーンを否定する意図はない。むしろ全国チェーンはこうした地元に根付いたローカルチェーンへ対抗すべく様々な施策を凝らして販売領域を拡大していると言う事はよくわかるだけに、全国化しているだけの理由があるわけだ。さらに言えば、どんなチェーンも初めは小規模であったはずだし、場合によっては長らくローカルチェーンだったものが徐々に規模を大きくしていく事もある。北海道発のコンビニチェーンのセイコーマートがまさにそれで、北海道内に留まらず、茨城や栃木、埼玉に進出している今がまさに拡大中のローカルコンビニのそれである。一方で、群馬発祥のコンビニ・セーブオンは先ごろローソンに買収され、完全に看板を付け替えることとなった。新潟県などにも進出してかなり規模としては大きくなっていたが、とうとうセーブオンそのものはなくなってしまった。全国で同じように利用されるようになるのは難しいことであると思う。これだけ地域によって好みの差がある中でどう戦っていくか、はかなり難しい問題だろう。

そう言う意味で、地域に愛されるローカルチェーンにはさまざまな魅力が秘められているわけだ。
北海道ばかりに目を向けたが、全国的に知名度のあるローカルチェーンと言えば静岡県のハンバーグチェーン「さわやか」だろう。赤身のぎっしり詰まったげんこつ大のハンバーグの人気なチェーンである。関東に一番近い御殿場店などは休日は途方もない待ち時間のなるほどだ。最近待ち時間をメールでお知らせてくれる機能ができるほど、需要があるわけで、この愛されぶりは目を見張るものがある。もっとも、観光客が沢山押し掛けることを地元静岡ではどう思っているのかはわからない。ローカルチェーン故のもどかしさはありそうだ。

私のような旅行者にとって、ローカルチェーンの存在は非常にありがたい。その地域に行ったら地域のものが食べたいと思うわけである。地域のもの、という括りは曖昧ながらもさりげなく効力を発しており、さあ全国チェーンに入ろうか、という気分になるのは長期滞在の時や発祥の地などそれなりに理由がないと入りにくい。そんな時ローカルチェーンはありがたい。これを目標にして訪れている時もあればそうでもない時もあるわけだが、ローカルチェーンという保険というか安心して入れる店が担保されているのは、あまり旅先で妥協せずに済むと言う点で重宝しているのだ。